酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

雑記

土産

近所に住む古い友人が、長野の山奥から戻ってきた。(一泊だが。) 隠れ家旅館でうまいものを食い、のんびり山歩きをしてきたから土産を買ってきた、取りに来ないか、というメッセージをくれたのだ。で、夕暮れ前の柔らかなひととき、のそのそとブツをいただ…

梨木果歩「沼地のある森を抜けて」。再読記録メモ

壮大な糠漬け小説である。うねるように押し寄せるこの梨木香歩節に翻弄され引きずり込まれ圧倒され打ちのめされる、その至福の読書空間体験。 …すべては、糠床から始まった。主人公が叔母を亡くし、家宝の糠床を継いだところから物語は始まる。 やがて、日々…

コロナワクチン

ということで高齢者向けにコロナ対策ワクチン接種が始まったわけですが。 何故に自力であの激烈な競争率及び困難とエラーだらけのインターネット申し込みを高齢者自身が行わなくてはならぬハードルの高さを設定しているのか。 最もそれを必要としている層に…

クラシック喫茶「でんえん」再訪

本日はどんより曇天から雨模様。五月なのに肌寒い。 ということで鬱々と地元クラシック喫茶、田園再訪。初めての時は友人と一緒だったのだが今日は鞄に読みかけの文庫本潜ませてひとり潜入。相変わらずの佇まいが嬉しい。ドアを開けるとタイムトリップ異空間…

我々はJKだったので、お茶会をした。

我々はJKだったので、お茶会をした。 初夏の陽射しのあふれる、秘密の庭園のようなM子の自宅の庭が会場に選ばれた。赤いギンガムチェックのクロス、M子とっときの野薔薇のお茶セット、持ち寄りのお茶とお菓子。 ひな祭りには期末テスト前週間、部活も禁止さ…

チョコレート・コーティングと真理の相対性

チョコレート・コーティングには独特の魅力がある。晴れた日曜の朝、焼きたての幸せの香りのするのパン屋でチョコレートをとろりとかけたデニッシュ・ペイストリーをトレイにのっけていて、私は非常に幸福な気持ちになった。 コーティングされたチョコレート…

パンとインド神話

今日は青空陽だまり春うららびゅーちふるさんでー。 のたのたと街を歩いてビアードパパの前でシューの焼ける香りに包まれ、焼きチョコシューやパリブレストなんかを眺め、その隣の和菓子屋の鶯餅や道明寺、蓬餅のやわやわと雅なそのお姿を眺め(関東長命寺風…

穢れの町、肺都(エドワード・ケリー アイアマンガー三部作・第二部及び三部)読了

ということで読了いたしました。第一部読了時点のメモはこちら。 一旦ハマったらかなりの長編ではあってもガアと一気読みしてしまうものすごい力業で構築される壮大な物語ワールド、その世界の躍動感に驚嘆するばかり。 いや~なにしろものすごいスペクタク…

「アフターダーク」村上春樹

さて。 毎朝悪夢と絶望の中に目覚め、少しずつ少しずつその日生きるための燃料を取り入れて辛うじてその日その日の平常心を己の中に育て直してゆく。朝の透明な空から、清浄な空気から、日々の暮らしに伴うルーティン、その動きからその中にひらけてゆく風景…

「100分de名著」最近の録画視聴備忘録(メモ)

「小松左京スペシャル」 第一回は、伝記的事実とその心持ちと作品の結びつきを追っていて、その戦時の体験や概念への思い、感覚、メッセージ性や世界観の発生、その「小松左京SF」というスタイルの持つ原点、人間としての発想の重み深み知性のありかたのよう…

身土不二

アヴォカドの種やキウイの皮、グレープフルーツの白いワタを微妙にからめた薄皮部分。(ついでにいうと秋刀魚や鰯の骨やワタも。)結構クセになる我が好物のひとつである。 食材廃棄率低くする全体食を支持する己のポリシーからそれは来た。 で、朝西瓜の皮…

梅雨明け 原爆

朝から既に湿気もんやり本日不快指数急上昇猛暑予報。 まだみんな身体がこれに慣れてないから気をつけねばならぬのではの夏バテ熱中症注意報。梅雨と一緒にコロナも明けてくれないかとあんなにも強く願ったのにかなえられなかったので私はかなしい。神も仏も…

100分de名著「法華経」

ずうっと中断していた100分de名著の録画をようやく消化し始めた。「法華経」である。 やたらとチック症的なまばたきを繰り返すのがちいと気になる繊細で優しいおじさんな雰囲気の指南役の仏教研究家の先生がごくシンプルに法華経一般の概念を説明してくださ…

コロナ緊急対策下非日常的時空備忘録

雨とコロナとパニック映画の中のような世界に閉じ込められた春の土曜日、暖かい部屋の中でリビングの平和な両親の気配を感じ、私は思ったよりも落ち着いている。今日のお気に入りその他備忘録。 *** *** 最近Twitterでフォロー始めた、言葉にミョーに…

パンデミック

世の中コロナである。 パンデミックってどうして起こるんだろう。現代ではインフォデミックとかいわれてたりするんだが。 社会全体が総立ち、な、このわさわさの緊迫感。東日本大震災以降こういうリアリティは結構如実にはなってきてたんだけど。フラフラッ…

立春

立春。夜明けがだんだん早くなる。 澄んだ朝、世界をももいろに染め上げるうつくしい朝陽の光と影を眺めながらきゃべつを刻み、キヨシロの叫んだ自由のことについて考えていた。(口ずさんでいたのは中島みゆきの「歌を~歌おう~心の限り~愛を~こめて~あ…

しあわせなハリネズミ

寂しい。 ということで、私は考えた。今私を私たらしめているものは、己のこの在り方を恥じる気持ちだけである。 この矛盾の中にしか私の存在はないのだ。苦しみも喜びも誇りも一つの存在としてこのダイナミクスの中にある。 これが本日の総括としての論理的…

何故子供の本ばかり読むのだろう

感性が子供なんである。別に気取っているわけではない。精神的な成熟度もそれに準じているし、よく天才神話に言われるようにそこに付随した突出した才能などがあるわけでもない。 成長しそびれただけだ。まあ要するに単なる落伍者である。皆最初は私と同じく…

年の瀬2019 演劇と空気

28日、西荻の喫茶店のマスターのツイートにストンときた。(この方のつぶやきにはストンとくることが多い。不便な場所だけど不思議な味のある雰囲気のお店で、一回だけ珈琲飲みにお邪魔したことがある。) 「この年末になると漂う空気は演劇に通じるものがあ…

パンケーキ

タピオカの少し前に流行ったブツであるという印象がある。 (因みに私は今まで生きてきた中でただの一度もタピオカ及びクスクスの類を経口摂取したことはない。そして冷麺はたった一度盛岡の専門店で摂取したことがあるだけだ。これが冷麺というものかと感動…

雑貨屋

雑貨屋というのは幸せのモトである。 実に夢のカタマリである。皿だの箸だのスプーンだのお香だのなんだのが並んでいるだけなんだが。しかしそれは舞台である。生活のワンシーンを想起させるための五感を複合させる仕掛けの施された夢の舞台。夢を生活の中に…

秋の朝考えること 夢見るメディア空間

朝起きたら静寂の空にうつくしいももいろの光がいっぱいの朝焼けだった。ひんやりさらさらと肌を撫でる秋の風。 静かな早朝、この世界はすべて私ひとりのものである。 だから私は今日私に与えられた恩寵であるこの一日を精一杯幸せに過ごそうと思う。 …でだ…

レーゾンデートル

毎年、9月の声を聞くと自分の中で解禁される歌がある。 「9月の海はクラゲの海。」 ムーンライダーズ。 これを聴いていて、原点ということについて思った。 高校の頃の風景、この歌を、このバンドを教えてくれた人達との出会いのシーンのさまざまを思い出し…

朝が好きなのだ (ムーンライダーズ・サエキけんぞう・パール兄弟・宮沢賢治)

朝が好きなのだ 私は本当に朝が好きなのだ。何もかも新しい、きらきらと木漏れ日の落ちる新しい朝。 そして大切なのはそれが終末感とともにあるというところだ。始まりと終わりが一つのものであるところで世界は完全になり私は解放される。 この構造がずっと…

おうい雲よ …って言いたくなる空だなや。 夏キライ、猛暑辛い。バテバテ高温多湿キライ早く秋風…とは思うけど、やっぱりスコーンと青い夏の空、まっしろくてもくもくの雲、8月の夏休みの空は好きである。(特にまっさらできらきらの朝、そして長い長い夕暮れ…

脳足りん (どんぐりと山猫・ほんとうにほしいもの)

脳足りんが嫌いである。ものすごく嫌いである。大嫌いである。これこそが諸悪の根源であると思っている。 まったく実に切実な話なのだ。実害が酷すぎる。 …だがふと我と我が身を振り返ってみると、己が脳足りんでないとは決して言えないと言う事実に直面せざ…

(例えば)海の水雲と海の藻屑

私の母世代のご婦人というのは、(私の母をはじめとして、)得てしてあまり言葉にこだわらない人種が多い、ような気がしてならない。 単に私の周りの環境なんだろうけど。 物の名前にこだわらないというか通じることだけが大切で外側は些末なことであるとい…

恋と時空間(恋愛小説のススメ)

桜咲いてきて、嬉しいです。トリも花が好きなんスな。食っとりました。で、こないだの「100分de名著」のオルテガ「大衆の反逆」。 ここでワシはこのやたらと男前でかっこいい指南役の先生の語り口にシビれてしまった。で、それが刺激になってあれこれ考えた…

ミッツ・カール君

ミッツ・カール君のアクション、実は結構好きである。(こっちょり) 「100分de名著」録画消費、オルテガ「大衆の叛乱」にかかる。第一回。こりはピシッとツボにはまった。おもしろい。 オルテガの定義する「大衆」。これは階級としての大衆ではなく生き方と…

本あれこれ。雑感。

実家避難の週末のパターンとしては、とりあえず町の図書館であれこれ借りこむ。普段なかなか読めないものが読めることがあるのではないかという期待を込めて。 大抵ほとんど読めなかったりするんだけどね。とりあえず欲張って目についたもの借りてしまう。 …