酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

悪夢ということ。ナルニアとファンタージェン

悪夢、あの暗闇に囲繞された世界観について考える。 やるせない絶望と閉塞と虚無の闇に浮かび、辛うじて息をする先の無い苦い暗い日常生活、世界の解釈。そんなものはもともとなかったのだ、と、幸せの存在自体が蝕まれてゆく、その記憶さえ読み換えられ否定…

日記

眠れない。 なんとなく何かを探して古い戸棚をさぐる。 …無印良品のノート数冊。日記である。高3のときから大学時代、不定期につけてたんだった。 顔から火が出そうなとんでもないシロモノであった。 あかん。ショックで目が覚めた。 暗黒歴史とはこのこと…

筆談

これは、遥か昔、高校生だった頃の時空だ。 そう思った。あのときの吉祥寺と今目の前の吉祥寺の風景が次元の位相を違えながら、重なり存在していた。その危うい狭間を漂うようにして、街をゆく。 今はもうつぶれてしまった、懐かしいクラシック音楽専門喫茶…

最古の記憶

記憶なんてのは8割が捏造である。 歴史学やなんかと同じだ。古いものほど確証性が薄い。想像と仮説がその物語のほとんどすべてである。 今私の中での人生最古の記憶は図書館の風景である。 たとえばこんな感じ。 …これは地元図書館子供コーナーの奥。 こど…

図書館の白鳥さん

図書館に寄って本棚を眺めていたら、突然思い出した。 大学時代、大学構内に生息しておられた方々の記憶である。 普段あまり学生の行き来しないスポット、迷宮のような古い校舎の一角には、素敵な謎にみちた空間が迷路のように隠れていた。決して混まないト…

ラヴソング

二人で不動産屋巡りをした挙句、結局荻窪駅近くのほどほどのワンルームに落ち着いた。 駅から1分である。シャワーだけじゃなくてちゃんと素敵なタイルのお風呂もあるとこは私が気に入ったのだ。 ただ日当たりよくないねえってそこんとこかなり気になったん…

加工度

持論として、情報も料理も加工度が低いほど好ましいと思っている。誰かの脳味噌と情報操作フィルターを経た情報はわかりやすく口当たりよくこなれておいしい、消化しやすい物語であり、誰かが、自然物、素材にたらふく恣意的な味のコントロールを施した料理…

詩作という儀式

手簡(宮澤賢治「春と修羅」) 雨がぽしゃぽしゃ降ってゐます。 心象の明滅をきれぎれに降る透明な雨です。 ぬれるのはすぎなやすいば、 ひのきの髪は延び過ぎました。 私の胸腔は暗くて熱く もう醗酵をはじめたんぢゃないかと思ひます。 雨にぬれた緑のどて…

シモネタ

語弊があるとは思うが、一言で結論を言えば、シモネタを喜ぶ人間の心は、基本的に今ある人間社会の秩序基盤を肯定しているのだと思うんである。 暗く卑しく淫靡と禁忌を楽しむ、というような、他者をも貶める側面を強く持つ刺激への衝動としての下劣と、から…

夜中の三時

わあわあわめいて泣きだしたいほど眠いんだが。 赤ん坊が眠いと泣くというのがまったく理解できなかったんだが、なんとなく今奴らの気持ちがわかる。眠いならただ素直に寝ればいいだろ、ネロって思うんだけど、それってオトナの論理なんだよね。 イヤまあ寝…

眠れぬ夜

三連休前の金曜深夜、浅いきれぎれの眠りから浮き上がってしまい眠れなくなる。 冷蔵庫から缶麦酒を出してきて飲みなおす。GaryKarrのコントラバスソロアルバムをかける。 冒頭がぞっとするほど素晴らしいホルストの「木星」なのだ。これを母校の放課後の音…

節操がない その2

「物語ること、生きること」上橋菜穂子(構成・文 瀧晴己) 「守り人」シリーズで知られる上橋菜穂子、デビュー作「精霊の木」からずっと追っかけて新刊が出るたびに飛びつくようにしてリアルタイムで読んでいた。 …稀有な物語メーカーである。(本屋大賞な…

匿名性

戻ってきたらたちまちダメだ。牢獄から出られない。 何もできない。考えられない。息が苦しい。ハリネズミのように悪意で攻撃装備した鎧で全身を覆う。針は外側にも内側にもびっしりだ。 …とりあえず脱走する。 外は燦々と光の降る日曜午後。 なるべく賑やか…

意地っ張り

元旦は正月みたいな空(ムーンライダーズの歌でこういう歌詞があるのだ。「青空のマリー」)で初日の出なんか拝んで近所の神社なんかで初詣して大変よろしかった。 スコンと晴れたすがすがした深く明るい空。きりりと澄んだ大気。 正月の非日常の光のなかに…