2015-01-01から1年間の記事一覧
年末年始、両親のところに帰省している。 恐ろしく丈夫でおしゃべりで騒がしくて運動量が多くてエネルギッシュで出たがりデベソで働き者の母(私と正反対のタイプである。)は、朝四時起きで台所仕事に掃除、オカリナ練習にウォーキングにおしゃべりに買い物…
関東の年末年始は、カラっと晴れて現実じゃないみたいな嘘みたいな澄んだ青い空、世界いちめんまばゆい金色できらきらしていて目がくらむ。風景も人々もその金の光に縁どられた幻影のように見える。 お正月準備の忙しさ、非日常のそわそわ感、非現実感の増す…
冬至なので南瓜の日なので南瓜を食べねばならぬのだが南瓜がない。 仕方がないので南瓜麦酒をたらふく飲む。(ハロウイン季節もの売れ残り投げ売りしてたので惜しげなく。)(基本的に南瓜は好きである。)(特に南瓜プリン。) 柚子湯に浸からねばならぬの…
恋は欠如であり愛は横溢である。 恋愛という語はおそらく類義による複合語として分類されるのだろうが、対義による複合語としてもまた認識することは可能だ。類義の中での対立される要素を抽出し、その違いを分析していくことは世界を深く豊かにしてゆく行為…
中央線で幼児が「ママいちじょうじだって、一乗寺!」「そうね、吉祥寺ね。」「うん、一乗寺!」。 子供よ、我々が今停まっているところは三鷹だ。 …かきくけこって発音しづらいのかな。子音発音体系、面白いな。フランス人ははひふへほ言えないとか、日本人…
一日ひとつ、一日一話、という読み方が一番正しい宝物のような短編集がある。もうちょっと読みたいと思ってもやめておく。一気読み、という長編物語の醍醐味とは違う読書の効能。 或いはそれは己の内側の世界観を確かめる、心をチューニングするための方法。…
>>夜中ひとりで言葉を紡ぐ 逃げてやる、逃げてやる。 現実逃避。 どうしようもないお子ちゃまな私と、お子ちゃまな結婚相手、お子ちゃまな男性群。 …怖いよう、あのひとと二人のこのおうち、今、耐え難い。 ドアをたたく、私の精神を縛り上げる怒声の恐ろ…
どうしても、好き、にはなれない。 悪くないと思うしよくできていて深みがないとはいえないし素敵な情景で、洗練されたプロット展開、扱われるモチーフも魅力的、「いい話」だし。 さびれた商店街とかノスタルジー、都会で仕事と恋愛に躓き傷ついた主人公が…
クリスマスが好きである。 キリスト教徒ではないので、いわゆる雰囲気としてのクリスマスが俗物的に好きなんである。敬虔な荘厳な宗教的なイメージをも単純ないいとこどりで潜ませた狡猾なその華やかさ、異国のカルチャーに憧れた我が国のカルチャーとしての…
そんな現実など、俺は認めてやらない。 あいつが出て行った。俺のせいじゃない。 初めの頃はあんなんじゃなかった。いつからだったろう。あいつは些細なことで突然爆発し、泣きわめいて一方的に俺を責めたてるようになった。自分勝手で筋の通らない理屈。訳…
部屋でいつものようにひとりで酒飲んで人生ダメにしつつ、赤ちょうちん行きていな、とふと思う。 で、表ブログ(これは裏ブログ)の方に以前居酒屋のことなんかアップしたよな、と探してみたら懐かしくなったのでちょっと編集してこっちに転載。 *** 大学…
最近、若者の間で、キリンを飼うのが流行っているそうだ。 携帯電話のストラップに、耐震装置つきキリン用コクーンをつけて、肌身離さず持っておくんである。若者も娘らも皆、ポケットからその耐震装置特有のほのかな光をのぞかせている。 何故キリンかって…
作者とテクストは別物だと思っている。 音楽家とその音楽は別物だ。 だから作家とその作品、歌とその歌を拵えて歌った人を混同したままでファンになる、作品を愛する情熱がその作者とされる人間に対するものとして投影、仮託されている現象には常々疑問を感…
作者とテクストは別物だと思っている。 音楽家とその音楽は別物だ。 だから作家とその作品、歌とその歌を拵えて歌った人を混同してファンになってその情熱がその人間に対するものへと投影、仮託されている、疑似恋愛のような形になっているありがちな現象に…
舟崎克彦さんが先月10月15日に亡くなった。 ショックだった。 ぽっぺん先生シリーズが大層好きであった。もうどう転んでも続編は期待できないのか。…全編読み返そうかしらん。 ぽっぺん先生シリーズについてはいろいろ思うことが多い。舟崎克彦はテクス…
昭和がブランドになったのっていつごろからだったろう。 ほんの少し前の過去。ぎりぎりリアルなその時代の体温が、そのぬくみが残っている懐かしい過去。 戦前から戦後、復興、高度経済成長、家電製品三種の神器、サザエさん、オイルショック、学生運動、DC…
昨夜は錯乱しており泥酔していたので今朝は朝から晩までずうっと宿酔い。(ただいましかし結局また飲みなおしている。) しかしね、パリのテロのことでマトモに参ってしまって人類ノータリン発言してしまったんだけどね、パソの中で目にする人々の言葉やニュ…
どうしてこんなに自分に自信がなくて何もかも怖いんだろう。 子供の頃からずっとずっと負け犬人生だった気がする。別に虐待されて育ったわけでもないだろうに。 いつでもおどおどびくびくしている。 背後に立たれるとビビりあがる。 高校入学前の春休み、教…
土曜の朝。 いきなり寒いし不景気な曇天からしとしとしとしとしとしとしとしと一日降り続く雨予報。 ただでさえ週末は出かけないと危険なのに、お天気人間がこんな土曜日に困った状況とともに部屋に閉じ込められたらココロが腐ってしまう。 寒いとか暗いとか…
荻窪の駅近くの胃腸クリニックであった。 すごく変な医者だった。 名前を呼ばれ、待合室から入ったときに彼が机の書類から目を上げた第一印象。 まだ若いようなんだが、姿勢が悪くて、吹き出物だらけの不健康を絵にかいたような顔色をしていて、あまりにも窓…
大学4年のとき、引っ越し先を探すひとに頼まれて週末ごとの部屋探しに付き合ったことがある。 おもしろかった。 当時オレは阿佐ヶ谷在住だったんで、彼はその近辺で駅の近い手ごろなワンルームを希望した。不動産屋めぐり。初めての体験にわくわく。いろん…
語ることの野暮と禁忌を理由に言説を否定されるということ。 論理の不整合によるのではなく、反論でもなく、同じ論理の土俵で語ること自体を拒否したままでの否定は卑怯である、と、とりあえずまずその反発のありかたにはムっとした。思考停止の真理の高みか…
こどものころ、山の上に隔離された療養所で暮らしていたことがある。 確か一年近く。 小学校3年の頃か。 喘息の発作がひどくなって常に爆弾抱えた緊張状態、薬漬になって頓服もいい加減効かなくなり、呼吸困難で横たわることもできずクッションを抱きかかえ…
色っぽいってなんなんだろうなって時々思う。 清楚な和服女性が後れ毛をかきあげるしぐさ、りゅうとしたスーツ姿のビジネスマンが一日の仕事を終え、ネクタイをゆるめるときのそのしぐさ。 *** *** 色っていうと色町とか色情狂とか英雄色を好むとか、…
梨木果歩さんの童話、となるとこれはもう読まないわけにはいかない、少しの緊張とわくわくを胸にページを開く。 そして、やはりその期待が裏切られることはなかった。 梨木果歩節全開である。非常に注意深く丁寧につくりあげられていて、吟味されたことばが…
節操がない、というのはどっちかというと節操があるよりなんだか好きである。いや、ずっと好きである。 うむ。 …高校時代、なんだかなんとなく周囲には、大人ぶって大衆的なものを馬鹿にするとか斜に構えた皮肉な知性とか変わり者紙一重の個性とかスノッブと…
ここ数年、いやもっとずっと前から。 毎年、自分の誕生日は決まって、不思議に心身絶不調で、何をやっても裏目裏目、非常に悪い星の下に、という気持ちになってココロががらんとして地下にめり込む日となっていた。朝から晩まで超低空飛行。 お星さまの定め…
S君と私は大変仲が悪かった。 高校の同級生である。 喧嘩もよくした。(仲が良くてじゃれあう、というレヴェルの、中高生によくあるごちそうさま痴話げんか的な微笑ましいものでは決してない。本当に仲が悪かったのだ。) それでもとりあえずやっぱり友人で…
駅までのそのそ歩いていたら、水玉模様のぴちぴちなずぼんをはいた自転車の女の子3人に追い越された。流行ってるのか?水玉ずぼん。 ずぼんである。ああまでぴちぴちだとパンツ、とよんでもいい。 だが自分、あの二本足になった衣類のことをパンツと呼ぶのに…
腹を立てている。 と書いてみて、何故「腹を立てる」というのか、と思いついて不思議になって眠れなくなってしまった。 腹とは寝たり起きたり立ったり座ったりするものなのか。 自分が横になったときでも腹だけが立っているのか。図解として成り立たない。立…