酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

2014-01-01から1年間の記事一覧

「なめらかで熱くて甘苦しくて」川上弘美

う〜ん。もともと感性の鋭さが好きなんだけどいささかぶっ飛ばし過ぎてる感のある激しい一冊。さまざまな作風を模索しているその実験的な作品の一環であるようにすら思える。どれもふかぶかとした実力を感じさせてくれる隅から隅まで川上弘美節ブイブイ、な…

「女のいない男たち」村上春樹

「女のいない男たち」というコンセプトアルバムのようなかたちで次の6編が収められている。(前書きでも作者本人が述べているように、それは或いは寧ろ、「女を失う男たち」というイメージである。) ここで失われる「女」とは、「男」にとって何を意味して…

「ちいさなおはなしやさんのおはなし」竹下文子

ちいさなおはなしやさんのおはなし (おはなしだいすき)作者: 竹下文子,こがしわかおり出版社/メーカー: 小峰書店発売日: 2012/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見るイヤ実に素敵な本である。 絵がまたとびきり可愛いのだ。おはなしを売って暮らして…

冬虫夏草 梨木果歩

冬虫夏草。読了後、タイトルを鑑みる。 やはりしみじみと意味深い。これは、単に主人公たちの会話に出てくる話題、ひとつの珍奇な生命の在り方を間に合わせの切り貼りタイトルにもってきた、という意味あいなのではない。帯のコピーには本文のこの部分が抜き…