酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

2011-01-01から1年間の記事一覧

吉田修一「横道世之介」

軽く、テンポよく、読みやすい、バブルの時代の青春の群像。 その「うまさ」「悪くなさ」。何の文句も言いようのないけれど私に親和しないタイプの小説だなあ、と、とりあえず読み進む。田舎から上京してきた世之介が、誰もが「あるある!」と、共感、経験す…

怪盗クロネコ団とねじまき鳥クロニクル

岡田貴久子さんの童話が好きである。どれもとてもいいのだが、「怪盗クロネコ団シリーズ」は、日本の近代児童文学史上でも、かなり異彩を放っているものなのではないかと思う。子供を大人目線からの決め付け子ども扱いでばかにしていないし、教訓や理想を押…

梨木香歩「僕は、そして僕たちはどう生きるか」

クラシックな道徳の教科書みたいな少年小説を下地に、意識的にか、少し生硬な思想、テーマがゴリっと硬く浮きでる少年の語りの青さ。しかし、後半、ぐいぐい深みにはまってゆくツボ。村上春樹の問題意識にも通じると思う。「普通」という言葉の暴力性への小…

「おばあちゃんのちょうちょ」バーバラ・M・ヨース&ジゼル・ポター

東北地方太平洋沖地震をはさんで、梨木香歩「ピスタチオ」。 そして、関係ないけど続けて読んだ絵本「おばあちゃんのちょうちょ」。ひどくよかった。絵本の方は、絵描いたジゼル・ポターが好きだったからなんだけど、よかった。重なり合う複雑に凝った世界を…

「宵山万華鏡」森見登美彦

宵山万華鏡作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/07/03メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 33人 クリック: 1,061回この商品を含むブログ (202件) を見る 2011元旦、岩塩ランプの下、森見登美彦「宵山万華鏡」読了。 う〜ん、よかった。…