酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

春の宵

15の春に出会った時から、おそらく一生の友人である。 M子とは、高校時代、毎日顔を合わせ、学校中をかけまわっていた。周囲からはいつも一緒にいた、という印象を持たれていたようだ。(珍妙なチビペアだったんである。)夏休みも冬休みも部活はほとんど毎…

書くことは

書くことは生きることだ。 井辻朱美さんってSF的な独特の短歌や訳書で有名な人だけど、私は彼女のオリジナルの小説、なんというかまあいわゆるファンタジーとかの領域なんだけど、その独特の世界の見え方が好きだ。神話や民俗、ファンタジーの系譜の豊富な読…

おやつ大魔王

今は需要がないのでまったくやらなくなってしまったが実は菓子拵えるのが好きであった。菓子職人になりたいと半ば本気で思ったことがあるくらいである。 食うのが好きから始まるんだが、こおんな素晴らしいものが自分の手で拵えられるなんて、という感激がい…

恐怖症

暗所および閉所恐怖症のきらいがある。おそらく。 および高所恐怖症、社会恐怖症、対人恐怖症でありながらの孤独恐怖症、男性恐怖症。あまりにも果て無く広大な風景にも恐怖する。 よくよく考えてみると、何もかもが怖いんである。我ながらなんという恐怖症…

中山式快癒器

中山式快癒器である。 東京駅周辺のご立派な高層ビルディングにご立派な広告がドーンと掲げられているのには驚いたが、このロングセラー商品、ばかにできないスグレモノである。 肩腰痛む人は試すべきであると私は考える。なにしろ「快癒」である。電気をつ…

チョコレートを買いに

珈琲だのココアだのが好きである。 ココアはキロ買いする。 今はヴァンホーテンの5kg袋を買って日々せっせと摂取している。 ほんとはフェルクリン(スイス)やチョコヴィック(スペイン)のカカオパウダーの方が好きなんだけど、いささか高価なので、とり…

京都と東京と

京都に行った。 季節は春。ソメイヨシノも枝垂桜もそろそろ終わり。はらはらと雪のように舞い落ちる桜色と萌え出した新緑に淡く彩られたうつくしいパステル風情の時候であった。 もともと京都には縁がない。遥か昔、中学の修学旅行で名所をおざなりに流した…

「ソラシド」吉田篤弘

時代と、街と、音楽、そして言葉。 独特の透明な空気感。 この人の作品世界には、言葉遊びのようなスタイリッシュな文体によって醸し出されるあざとさと、どこか高踏派的な空気感が漂っている。そして、行間ににじむほのかな哀愁、小粋なエスプリの快さ、ノ…

故阿佐ヶ谷住宅

高校時代憧れだった、思い出のつまったあの阿佐ヶ谷住宅が壊されたことは知っていた。だから今実際どうなっているのか見るのは少し怖かった。 うわあ…。 やっぱり、分譲マンション。そうだろうなとは思ってたけど。 目の前にした途端、胸の奥に不意に広がる…

「ぬすびと」及び「ドタマ」

昨日私の頭の中では賢治の詩の一節がくりかえしくりかえし再生されていた。半ば音韻化され、半ば文字面の記憶として、半ば想起されたイメージとして。 こういうことはよくあることだ。気が付くと歌が繰り返し再生されていたり風景がこびりついていたり。その…