酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

お腦が弱い・その2

やはり私はお腦が弱いらしい。致命的になにかが欠けているらしい。(参考、「お腦が弱い」)脳内の情報網をトータルに把握し再創造するイメージ能力、時空認識能力に著しく欠けている。だからたとえば難解な本なんかで複雑怪奇に深淵な論理体系の、その難解…

プレイリスト

itunesでコツコツとつくりためたプレイリストをipodで愛用していた。思い入れのある曲ばかり集めて、気分に合わせたものを集めて、そうしてたとえば日曜夜には日曜夜だけ解禁するプレイリストがあって、それが日曜夜プレイリストと銘打たれているならそれは…

喪失

赤ん坊の時、失くしたものはまだなにひとつなかった。なんにも持っていなかったけどあらゆる可能性をもっていた。ポテンシャルマックス。…違う。可能性ではない。文字通り世界丸ごと所有していたのだ。世界から分離されていなかったのだから。すべてを所有し…

一生おぼえてる

自分の「わからなさの森」の中に放り込まれている言葉や風景の原料として比較的多く登場する友人はある程度特定される。男女問わず。親友だったり付き合った人だったり尊敬する人だったり、とにかくかかわりの深い人、今の自分を構成する重要な要素となった…

飲み残す

麦酒あとちょこっとだけ飲みたいな、というとき、見積もりより少しだけ大きい缶を開けてみる。飲み残そうと思うんである。 飲み残さねばならんのである。小さな瓶で、シナモンと生姜と一緒に干し無花果を漬けるんである。ちなみに無花果麦酒漬は古代エジプト…

酒ではないものに酔いたい。

物理学や化学やの自然科学、魔術は自然に対する人間の認識のひとつのスタイル、哲学も。そしてそれらの秩序や法則に満たされた世界のすべて美しいと感ずるとき宗教と芸術がある。真善美が本来一体のものであったところの場所を真理として感ずるためのメディ…

死ぬの怖い

ということで今夜も頼みはヱビス君である。***小学生の頃、唐突に、リアルに深刻な死の恐怖にとらわれ、それが半年だの一年だの、というスパンを持っていた、ということがある。という履歴は、自分だけかと思っていたら、意外とあるものだったのだ。本当…

豊穣

目覚めたら久しぶりに澄んだ空の朝だった。金色の朝もやの中金木犀の香りで夢の続きのようだと思った。世界でただ一人静かな早朝のベランダで、何もかも黄金色で、世界のはじまりのようで終わりのようで。かなしくあかるいとこ、と、愛妹トシの行ってしまっ…

猫の事務所

猫の事務所、という短い賢治の童話が好きである。いや、好きではない。嫌いである。すごいな、と思っているのだ。ああ、これだ。 と、つまんないニュースだのなんだの見たとき、しょっちゅう思い出すのだ。(青空文庫に入ってます。→こちら)権威とか権力と…

幼児語

幼児語が嫌いである。はい、おっきして〜、とか、ブーブーがきまちたよ、ブーブーが〜、とか、犬猫のことをわんことかにゃんことか呼びあらわす、ああいう業界用語である。非常にねちゃねちゃとして気持ちが悪い。はい、起きましょうね。車が来たよ。と言え…

追記メモ

富安陽子さんの新刊、いそいそと読み始めたら、主人公の男の子。「毎日同じであること」に固執する。「儀式めいた正確さで繰り返す毎日が好きなのだ。」「毎朝、朝食には、決まった陶器のボウルに決まった分量のシリアルを入れ、きっかり三百ミリリットルの…

ネギを刻む

「わからなさ」の森を心の中に持っておく、という趣旨の文章をいくつか読んだような記憶がある。わからないものを拒否することなく解釈することもなく、わからないまままるごと心の中にしまっておくのだ。わからなさ、の豊穣。世界はわからないもの、という…

負け犬の遠吠え

結構ストイックな麦酒党である。だがしかしそれは泡と液体の比率がなんちゃらとか注ぎ方がなんちゃらとかグラスの形状がなんちゃらとか、時間と空間を美しく楽しむグルメでツウな人々の美しい薀蓄を奉じるという意味での麦酒党ではない。そういうのはぶっと…

「僕の生きる道」草磲剛

二年前に書いたもの、こっちに転載。これ好きだったなあ、とほのほのと思い出したんである。>>>草磲剛主演、2003年の連続テレヴィドラマである。 …もう10年も前になるのか。高校生になったあたりからTVをだんだん観なくなっていって、大人になっ…

お脳が弱い

地元のご町内なんだけどな、なんとなくいつもと一本違う道でだな、花とか見つけて一生懸命撮影したりしてだな、はっと振り返ったとき、さあっと午後の金色の光が街を包み込む風景の中にいたりしてだな、一瞬自分が誰で今どこにいるのかわからなくなる感覚、…

屋根の風景

8階のベランダから、蛍のように光る街灯の列を眺め、夜風に吹かれていると思い出す。高1のときの夏の合宿の二日目の夜、屋根の上にいた私たちの風景のこと。夜中M子と一緒に部屋を抜け出して、屋根の上に這い出してみたら、先客のOBが寝転がっていた。星空…

中央線が好きだ。

中央線は我が青春時代を記したタイムラインである。必ずしも一方向のベクトルではなく。駅ごとに、歴史が刻まれている。「1Q84」の中の猫町のエピソードを思い出す。各々の駅に、街に、各々の、固有の時空が存在する。(固有の文化があるのとはまた別の意味…

アロハー

アーメンとかハレルヤ、インシャーアッラーってなんだか発想が重なっている。南無阿弥陀仏や南無妙法蓮経も同じような感覚だ。すべては神の意のままに。(わしゃ知らん。)ゆだねてしまう、他力本願、思考停止、罪は償われている。よきかな。感謝。だけど、…

人生のリソース

先日昔住んでいた場所を訪ねた。 昔世話になった方の病が篤くなり余命を宣告されてしまったというかなしい報せを受けたので、入院しておられる病院へお見舞いに行ったのだ。 病室に入るとき、緊張した。 もう何年もお目にかかっていなかったから、大変に衰え…

ロケンロー

キバをむく激しい罵り。イヤだな、つらいな、どうしてこんなに過剰なのだろう、ほとんど非論理的にまたそれを自覚しながら相手を攻撃し相手も自分をも毒々しく毒づき傷つけようとするのだろう、激しい苛立ち、憤り。なぜこのように世界を呪詛するのだろう。…