酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

2018-01-01から1年間の記事一覧

「君たちはどう生きるか」吉野源三郎

高校入学前の春休みの課題図書であった。入学早々これの感想文を提出するのが新入生の入学儀礼。我が母校の毎年の習わしであった。 ので、少なくとも私の周辺の世代の同窓生は全員これを読んでいる(はず)。 ということなので、これの漫画化されたものがい…

栗子さん(命題その3 モンブランは涅槃である)

早春の土曜の朝である。のどやかな晴天。春ぼらけな青空の下、町はゆるゆるとまどろんでいるようであった。 栗子さんは、駅に向かって歩いていた。人生における誇りについて、すなわちその内実として考えられる要素である自身の存在意義というものを滅びと豊…

栗子さん(命題その2 モンブランは愛である。)

さて栗子さんはもちろん栗が大好きだったのだが、何しろとにかく菓子が好きであったのだ。幼少のころからその執着ぶりは顕著であった。子供とは得てしてそのようなものであるが、女児栗子の執着とはその中にあってもひとしなみとは言い難い鋭い際立ちを見せ…

新宿逍遥

<新宿、街は地球の表皮に救うがん細胞のようなパソコン機能構造。その機能とバグ、ゴミ、各アプリケーション、機能同士の相互関係、影響。迷宮、そのクリーンアップ、リセット、汚泥そぎ落とし廃棄処分としての再起動、最終戦争、世界の終わり。あるいはも…

桜・図書館・墓場

私は常々土曜午後の図書館は大変良いものだという信念を抱いているのだが、日曜朝の図書館というのもまた大層良いものである。 「今現在」に繋がれたままの地元の図書館ではだめである。隣町とか、ちょっと離れたよその街の、明るい、窓の大きな図書館がいい…

おやすみなさい

なんだかねえ。 べろべろヨ。 明朝きっと消さねばかも。 でもご機嫌なのオレ今、一人で部屋で泥酔で。起きてれば起きてるだけ飲み続けてしまう。ご機嫌なときはご機嫌だから、辛いときは辛いから。(そして実は弱いので翌日は一日最悪である。) 一月は正月…

断章(旅想・無声慟哭)

冷たい雨が降っている。 蕭々と降る雨に込められた古い静かな都であった。延々と寂しく暗い川べりを歩いていた。 夜か昼かもわからないような薄闇の午後である。暗がりに白い灯りが灯っている。ぽうとやわらかく光りながらそれはたたずんでいた。白鷺になっ…

東京。木曜日、寒の戻り。明け方みぞれになる予報だったが降ってはいない。うむ。みぞれは降ってない。否応無く目覚めながら考えている。…だが現在の幸不幸を因果律で位置づけるのは間違っている。少なくとも今の自分にとっては。というやうなことを。間違っ…

信仰

なんかあれこれいっぱい書きかけてるんだが、言葉がどうも降りてこない。ダメである。 で、今日は火曜日なので、何か宗教を信じたいなアと思い、あれこれ考えてみた。 古来の宗教でも新興宗教でも何でもよい。だが苦行はイヤである。地下鉄にガスをまくのも…

男子フィギュア・羽生結弦選手

普段まったくスポーツは観ないクチである。 オリンピックにも興味はない。(スポ根は嫌いである。その美学が基本的に嫌いである。極めて不健康だからだ。)(「あしたのジョー」の不健康さを見よ。)(戸塚ヨットスクールとかさ。)(セクハラやパワハラ、イ…

吹奏楽コンサート

姉の職場の吹奏楽サークルのコンサートに誘われた。素人楽団の内輪な無料発表会コンサートでも、たまに立派なホールにでかけると心持ちとしてはちいと高揚したりする。いかにも晴れがましいお出かけな気分が出て、楽しいのだ。 玄関前まで車でお迎え嬉しいな…

栗子さん(命題その1 モンブランは神である。)

時は遡る。実は、その事実が発覚したのは、すなわち栗子さんが自身が再びモンブランを実食する消費者になる、という概念の存在を、驚嘆すべきリアリティを以て己の心の中に確認したのは、その年の初めである。 それは天啓であった。ある晴れた早春の日曜日、…

図書館環境・読書の現場

基本、図書館フリークなので、あちこちの図書館に出没する。 カフェでも図書館でもおんなじなんだけど、空間の雰囲気ってのは、建物や設備環境はもちろんそうなんだけど、それだけじゃなくて、寧ろスタッフが仕事を楽しんでるかどうかで決まってくるんじゃな…

銀河鉄道

なんかね、芥川賞も直木賞も賢治つながりな感じで、なんかね、…なんかなあ。(あんまり嬉しがっていない。)とりあえず読む気しないな。多分ただ今読む気力がないだけなんだと思うけど。 でね、さっきなんかずっとザネリのこと考えててさ、ジョバンニとザネ…

冬枯れ

寒波である。毎年思うのだが、雪国の人はよくこの季節を生きのびられるものだ。体温が下がると人間死ぬのに。 今朝、震えて目覚めた。暑いのもダメだが寒いのはもう絶対ダメである。ワシは心身共に素直なタチなので、つまり変温動物に近い生物なので割と素直…

年末。知人宅訪問

年末である。改装中だということで、荷物がたくさん積み重ねられていた。お邪魔します、と靴を脱ぐ。どうぞ、とリビングに通される。 リビングのドアの前、ちょっとどきどきした。 確か高校を出たばかりの頃。賑やかなパーティで、皆で押しかけた。うんと華…

霞ヶ関

(ちょっと前の話ね。秋の終わり。メモしかけたままほっぽってた。せっかくだからアップしておこう。備忘録。) 行ったことなんてないね、と思ってたけど、メトロから上ってきたら、眼前に日比谷公園。アラここか。 あの辺は 意外と好きである。主として大学…

蛇男・依頼人プロフィール

請われた。 物語にしてくれ、物語を作ってくれ、と。あの稀代の物語メーカーが物語に餓えている。激しい乾きと飢餓を抱えている。マリアの慈愛のように降り注ぐ「他者による」異質な意味と物語によって鎮められなだめられることを欲している。 …そうだ、彼は…