- 作者: 安房直子,田中槇子
- 出版社/メーカー: 秋書房
- 発売日: 1981/12
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ほんの数語で、
すうっと荒んだ心が鎮まり、
魂が浄化されるような、
じいんと胸が熱くなるような、
幸福感。
…これは、うんと古い、
うんと小さい人向けの
絵本だったので、もれていた、
貴重な未読作品。
ねずみに、虫歯の治療をしてあげた若い歯医者さんが、お礼に、靴下の穴をかがってもらう。翌朝、その靴下を履いた途端、突然、明るい幸福感に満たされ、五月の森へ導かれるように飛び出してゆく、そこで、で、ねずみたちに朝ごはんをごちそうになる、というお話。
五月の朝の、まぶしい新緑と金色の森で、ねずみたちが歌いながら拵える、ものすごくおいしそうな朝ごはんです。
「ふっくりたきたてのごはんに、
やまうどのみそしる。
あつやきのたまごに、なのはなの、おひたし。
つくしのごまあえに、たけのこの につけ。
そして、さいごに、さくらんぼが、三つ。」