酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

おはなし

恐怖症

暗所および閉所恐怖症のきらいがある。おそらく。 および高所恐怖症、社会恐怖症、対人恐怖症でありながらの孤独恐怖症、男性恐怖症。あまりにも果て無く広大な風景にも恐怖する。 よくよく考えてみると、何もかもが怖いんである。我ながらなんという恐怖症…

京都と東京と

京都に行った。 季節は春。ソメイヨシノも枝垂桜もそろそろ終わり。はらはらと雪のように舞い落ちる桜色と萌え出した新緑に淡く彩られたうつくしいパステル風情の時候であった。 もともと京都には縁がない。遥か昔、中学の修学旅行で名所をおざなりに流した…

日曜散歩・早春

中央線N駅南口から線路に沿って東の道を行くと、ひどく古い薄汚れたアパート群が並んでいる。昭和の時代にタイムスリップしたかのような印象の団地群がうっそりとうずくまっている。 昔、私が通っていた都立高校の広い校庭の片隅、テニスコートの南側にどこ…

キリン3

干し柿が送られてきた。 年末、田舎からの荷物。野菜だの餅だののこまごましたものの中に一袋。 母さんが、庭の柿で毎年拵えるんだ。あれはすごくいい柿の木だし母さんは熟練干し柿職人だ。今年はいいのができて地元の農産物コンクールで優勝したなんていっ…

医者も薬も嫌いだ。が。

医者が嫌いである。 薬もよほど激烈な症状がない限り、また痛み止め的なもの以外は極力飲まない。風邪薬なんて実際たやすく飲むもんじゃない。飲むとしたら葛根湯だ。 大学時代、アイルランドで風邪をひいて現地の市販薬を飲んだことがある。 …ラリッた。こ…

週末

今度の日曜日、母さんの誕生日を祝うから来いとメールがあったが行かなかった。 *** *** *** この夢見は風邪をひいて体調が悪かったせいだろう。 ナウシカに出てくる腐海のムシみたいなありとあらゆる奇形の巨大なハエがじゃんじゃん出てきてひたすら追いか…

筆談

これは、遥か昔、高校生だった頃の時空だ。 そう思った。あのときの吉祥寺と今目の前の吉祥寺の風景が次元の位相を違えながら、重なり存在していた。その危うい狭間を漂うようにして、街をゆく。 今はもうつぶれてしまった、懐かしいクラシック音楽専門喫茶…

ラヴソング

二人で不動産屋巡りをした挙句、結局荻窪駅近くのほどほどのワンルームに落ち着いた。 駅から1分である。シャワーだけじゃなくてちゃんと素敵なタイルのお風呂もあるとこは私が気に入ったのだ。 ただ日当たりよくないねえってそこんとこかなり気になったん…

ある悪妻の記録

>>夜中ひとりで言葉を紡ぐ 逃げてやる、逃げてやる。 現実逃避。 どうしようもないお子ちゃまな私と、お子ちゃまな結婚相手、お子ちゃまな男性群。 …怖いよう、あのひとと二人のこのおうち、今、耐え難い。 ドアをたたく、私の精神を縛り上げる怒声の恐ろ…

キリン2

そんな現実など、俺は認めてやらない。 あいつが出て行った。俺のせいじゃない。 初めの頃はあんなんじゃなかった。いつからだったろう。あいつは些細なことで突然爆発し、泣きわめいて一方的に俺を責めたてるようになった。自分勝手で筋の通らない理屈。訳…

キリン

最近、若者の間で、キリンを飼うのが流行っているそうだ。 携帯電話のストラップに、耐震装置つきキリン用コクーンをつけて、肌身離さず持っておくんである。若者も娘らも皆、ポケットからその耐震装置特有のほのかな光をのぞかせている。 何故キリンかって…