酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

カレー

土曜日、カレーの集いのお誘いを受けたので、なんだか一生懸命行ってきた。

カレーは素晴らしいからだ。
というかまあ大学のゼミの先生を囲んでゼミOB会のような集いだったので先生やゼミの同期や後輩諸氏にお会いできるというのはどきどきするしわくわくするしということでどっこいしょの気合を入れたのだ。雨の日はぐんなり湿気ってしまうお天気人間なんだが一生懸命でかけたのだ。

結論としてカレーは素晴らしいということと、私は今がどうあろうとこれからどうなろうと、とりあえず素晴らしい先生とゼミに恵まれた幸福な人間であるということがよくわかった日であった。

何故こんな志のある立派な人たちの席に自分が連なっているのかよくわからず己の人間としてのみじめさを恥じて穴に入るべきであるという思いも決して弱いものではなかったのだが誇るべき縁があることをとりあえず幸福に思ったのだ。

大層酔っぱらってしまったし何だかひどい恥をかいた気もするし連れてったおっちゃんウサギも忘れてきたけど、生きて無事戻ったしみんな温かく優しく頼もしい人たちだったので、なんだか一瞬だけ、生きていてもいいような、人間らしい気持ちになってやっぱりよかった、なあ。

 

会場となったそのアットホームなサロンは、厨房とテーブルが離れており、というか一旦外に出てぐるりと往来をとおっていかねばならぬつくりになっており、美しく出来上がったカレーを一皿一皿、先年ご退任なさった白髪の大学教授をはじめ、学士修士博士の十数人が各々しずしずと捧げ持ち、行列を成して運ぶという浮世離れした不思議な「賢者のカレー行進」風景が大泉学園住宅街に出現する運びとなった。

これがカレーを捧げ持つオレである。

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で、カレー。
その日体調不良であった方が、そのカレーを食べたら具合がよくなってしまったくらい霊験あらたかなカレーであった。うまかった。付け合わせのサブジとか漬物とかパパドゥとかも完璧で、食べ方の詳細な説明も行き届いていた。

具合がよくなってしまった方の報告を受け、「カレーは薬膳だから。」という荘厳な重みをもった納得の言葉が漏れ、「カレーは薬膳。」「カレーは薬膳」「スパイスは古代の薬」と、その日は森を駆け巡る木霊のように伝言ゲームのように賢者たちの言葉は反響し続けた。

…大学の先生とか区議とか支援活動とか、なんかね、意識高い系というかとっても前向きでものすごくまじめで賢くて眩いひとたちばっかりで、それなのにワシ恥ずかしげもなくべろべろ頭に浮かんだまま楽しく話垂れ流して生意気に楽しく議論して、楽しかったけどちいとアカンなあと思ったのであります。

まあね、もう何にも怖れるべきことはないんだけど。

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