ドアを開けたら息がとまるかと思った。ごうごうと風が吹く春の朝。寂しさとは死に至る病だな、と呟きつつ膨らんだ桜の蕾を見上げて歩く風の中、三月のはじまり。風がやんで、時空のエアポケットに入る一瞬がある。不意に陽射しが温かく感じられてぽかりとひ…
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