酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

冬枯れ

寒波である。
毎年思うのだが、雪国の人はよくこの季節を生きのびられるものだ。体温が下がると人間死ぬのに。

今朝、震えて目覚めた。暑いのもダメだが寒いのはもう絶対ダメである。ワシは心身共に素直なタチなので、つまり変温動物に近い生物なので割と素直に体温も外気に合わせてしまう。恒温動物にしては体温保持力に欠けている。ということで寒いとおそらく人よりはやめに手足がもげて死んでしまうのではないかと思うのだ。ウウ手が凍る顔が凍るかなしくなる動けなくなるもう100年くらい先の春まで冬眠していたい…。

…でもこの季節、空と光は異様に透き通って美しい。一年で一番美しいような気もする。厳寒期から早春。二月如月、光の春ももう近い。昼間の眩いほど強く澄んだ濃い黄金、夜にはキンと凍って煌く星空。

息がふわふわ白いのも楽しい。ベランダで朝陽の最初のひと切れを浴びて、ほうほうと白い息を吐く、それが朝靄にまじってゆく様子を眺めているとなんとなく愉快になって笑いたくなったりする。

記憶には、この美しさだけが記録されるんだろな。

やっぱり恩寵だ。

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地元図書館近く、冬枯れの苗木屋。本を抱えたままちょっと寄ってみる。

午後の光の色が奇妙に懐かしくて明るくて、何となく泣きたいような幸福感でいっぱいになる。今この瞬間、これ以上望むことはないと思う。いやホント。刹那主義ってこういうのをいうんかしらん。

無人スタンドがあって、いびつな柚子一袋100円とか蝋梅一枝300円とか物色するのも楽しいのだ。

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今日の底冷え、盥の水は凍ったまま一日中溶けない。

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先日、お年始あいさつで、階段の踊り場に庭で収穫したとんがらし干してるおうちに遊びに行った。寒いのにあたたかい。そう、やっぱりこの冬の陽射しだ。そうして、とろりと、赤の色。

いいな、とんがらし、って思った。

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ターシャ・チューダーさんみたいだよね。

…イヤあのね、今読んでる童話にとんがらしたっぷりいれた異国の「ココーア」なるものをテングが魔法で盗んできて江戸時代のお姫様に飲ませてあげるシーンがあったのヨ。

古代アステカではワインとかとんがらしも入れて飲んでたらしいからな、ココア。王侯貴族がな。オレも王侯貴族になって、今度シナモンと生姜とウヰスキーだけじゃなくてカルダモンやとんがらしもいれてみるかな。あったまりそうだからな、カカオフリークとしてはな、一度はな。(今日は生姜と七味と黒胡椒たらふく投入した牡蠣の味噌汁ですんごいあったまってハマった。あったまると寂しくなくなる、こともある。)(もともとスパイス好きなんである。タリーズスターバックスではシナモンマシマシ。そもそもあたたまるスパイスっていうのはもう既に薬だぞ。お腹があたたまって血行がよくなるとすべてはよくなるものなのだ、きっと。)