酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

流れ星

流れ星見た。

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久しぶりの晴れ間だ、とベランダに出てみたら、いきなりふわっと流れたのだ。
流れ星を見るといつも一瞬なんだかよくわからなくなって、どきどきする。美しい虹に出会ったときもそうだけど。とても貴重でとても特別なときに出会ったのではないか、というような心持ちを抱いてしまうのだ。

で、流星群が来るといつもベランダで頑張るんだけど、なかなか見られない。
なかなか見られないものだから、出会うとなにか特別で、何かいみじいことがおこるのではないか、と思うのだ。とてもいいことが。星の時間から、人類の時間に落ちてくるもの。(なんだっけ、「人類の星の時間」っていう概念があるよね。ツヴァイクか。歴史が動いたとき、輝き出たひとりの天才の、その特別なときの感覚を表す言葉、)

…だけどね、流れ星を見たことのない人はいるのだろうか、と考えてみたら、それは実はいないんじゃないかなあ、というようなことを思った。実際どうなんだろ。

 

写真はオライオン。
(数年前に撮ったやつ。星を撮るのは月を撮るより大変なんだぞ。)

季節がやってくると、毎晩のように私はこれを確認する。もう高校生の頃からずっと。

安心するのだ、確認すると。

学生時代、阿佐ヶ谷の自宅の前の小道に入った途端、いつもこの星が大きく私を迎えてくれた。こつんこつんと自分の革靴の音だけが街に響いて、視界にはオライオン。眼前におうちの玄関…安心したのだ、何があっても、いつも変わらず迎えてくれるもの、この、変わらないもの。壊れないもの。ひとが宗教に求めるものは、この世界のセーフティネットなんだろうな、結局きっと。必ず受け止めてくれる、過去に閉ざされ滞ることのない未来につながるねじれをもった約束、けれど過去のように永遠に壊れない、暖かく懐かしいところ。還る場所の保証。