酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

朝がなあ。
だめなんだ、最近。

昨夜は嵐。今年初の本格台風、記録的な大雨、そして警報が列島を駆け抜けて行った翌朝である。東京では一晩吹き荒れた。

早朝目覚めたら東のそら黎明の光。ベランダで、神々しいようにまばゆい光景に包まれた。雲間にぎらぎら輝く青と金の光のまだら。鬱金とあかがねのいろにくらく輝く雲のその濃い陰影。

嵐に浄化された新鮮に新しい世界のはじまりの朝。
ひんやりと新鮮に空気は澄み、吹き煽られむしり取られた木々と緑のほのかな芳香の中、小鳥がビチュビチュさえずっている。
すがすがと風が吹く。

寂しい。
こんなに申し分なく世界は美しいのに私の胸は冷たくがらんどうなままだ。
 
以前は朝が好きであった。
何とも言えない新しい気持ち。日々ひとの淀みはリセットされ、どこかからやってくる大きな新しい世界の朝の希望があまねく心に染み渡ると信じた。

ひとびとの、わたしのための優しい今日の日常がその新しい力で生まれ直して目を開くと。

けれどこの寂しみは。

明け方の濃密な悪夢からやってきたこの寂しみは、間違った場所からやってきた、存在を損なうもの。世界からすべての意味を奪ってゆく、エンデの「果てしない物語」でファンタージェンを蝕んだ虚無のように。
ああ、本当にあれと同じだ、この朝のがらんどう。悪いのは私だ。

無能感、無力感、虚無と絶望。この寂しさは何にでも化ける。

過去も未来もすべてを損なう蝕むがらんどうの虚無、すべてを食いつぶす魔物。

だけど、生きている。
 
しっかり生きよう。
身体が生きようとしている限り今日を楽しく生きよう。
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