母からメッセージを受け取った。
「早い年月。J病院であなたが生まれた瞬間、はっきり覚えています。退院した日、おばあちゃんが花を一輪さしてくれていて嬉しかったこと、つい先日です。」
「小さいころから苦しいことの方が多い○○(本名)で可哀想でしたが今からそのぶん幸せになりましょうね。」
昭和の時代のその日のことを、記憶にないその記憶を私の脳は捏造する。そのとき一輪挿しのおかれたテーブルの、その部屋に差し込んでいた午後の光のつくりだす陰影の詳細な風景までなまなましく描き出す。
リアルとはそういうことだ。
生きなければ、しっかり生きなければ、と思う。