朝、でかけようとしたとこで、iPhone君がぽよ~んと鳴った。
大学時代の友人からメッセージである。
彼が次男君(中一)の宿題の読書感想文に付き合ってたら、賢治の銀河鉄道の夜のことで質問された。わかったら教えてって。
「なんで鴈がお菓子になるのか?」
「なんでジョバンニの切符だけ特別なのか?」
「ほんとうの神様はたったひとりなのか?」
…いやそれぽんと聞くか?
「なんで?」ったってなあ。(知るわけないだろ。)
それ全世界の先鋭の研究者がはりきってカンカンガクガクやってるとこなのヨ中学生。
だからな、こんな風にあっさりきかれてもなあ中学生。
自分で考えろよ中学生。
答えなんかないんだからさ。
(ってかお父さんどこまでいいパパなんだよ羨ましくて目頭熱くなるぜよこのやろう。)
ということで、マンションの大規模工事説明会と家人のくだらない顔を見てぐったりくたびれた後、このままおうちに帰ったらひたすら魂腐るし、と、街の公園のベンチで風に吹かれていた。平和に土曜日を楽しむ人々を眺めて緑の空気を吸って冷やし珈琲をすすりながら子供の本を読んで、そいでぽよんぽよんと思い出したようにいろいろ聞いてくる彼に返信しつつ考えた。
晩夏だ。
蝉が鳴いて風が吹いて水面がきらきらしてるのって幸福だな。
そしてやっぱり賢治を考えるのは楽しい。
今年は生誕120周年で、花巻ではいろいろ記念イベントがあったらしい。素晴らしくうつくしい銀河鉄道の夜イメージのイルミネーションやらなにやらやってたらしい。
賢治記念館は山の上の素敵なとこにある。カレが実際弾いていたというかっこいいチェロなんか飾ってあった。
行きたかったな。
…イヤ、行きたいな。
人生もうだめだと思ったときは、とりあえずあきらめる前にもう一度あすこへ行ってからにしよう。
午後、銀河鉄道さっと読み返してしばらく目をつぶっていろいろ思い起こして考えて、少しでも中学生の参考になれば、とあれこれ即席で殴り書きして送り付けておいた。
親の方にはそれでもそれなりに結構納得してもらったみたいで嬉しい。
明日は雨。
酒もまわった。寝よう。