やっぱりすごいなあ…
最新刊「大きな鳥にさらわれないよう」を読んでいる。
まだ全体像が見えない、論理が見えない。
それでもおもしろい。見えてきそうなもどかしさもイイ。
…それにしてもセクシャルな要素っていうのは児童文学以外では当然のことかもしれないけど重大な要素になってくるんだよなあ…
人間と人間の関係性が社会的制約の中に必然的に性的な要素をからめねばならなくなってくるということにずっと反発してきたけど最近なんだか自然に受け入れられるようになってきた気がする。
セックスという行為を重大なものとして考え過ぎていたんだろう。ただ衝動があり現象がありそれに意味をつけたがる人間がいる、というだけのことなんだ。
川上弘美の扱い方ならばしっくりなじむ。
読むとセックスという行為をしたくなる。
とても丁寧にその行為の意味を考えることができる気がする。そして考えなくてもいい気もしてくる。何らかの権力構造を媒介しないそのもののことを扱うまっすぐな態度。
(春樹の性描写にはまた別の面白さがある。ものすごく意図的にさまざまの意味、物語とのつながりを組み込んでいる。これは優れて男性原理的であると私は思っている。)
漱石の「猫」を読むと蕎麦が食べたくなるのと同じだな。