岡崎京子やっぱりすごいな。
あのまっつぐさにヤラれている。あんなに嫌いだったけどやっぱり泣けてくる。
…もちろんオレのバイブルは安房直子だ。魂が死にかけてるとき最後の手段のカンフル剤のようにオレの存在の根幹のところを、一番大切な場所を蘇らせてれる。決して誰にも穢すことのできない場所。そうだオレは今もうなんにも怖くない。(べろべろに酔ってるしな。)
人生の終わりに意識が混濁して何もかもはぎとられていくとき、最後に残るのは賢治でも漱石でもなく、安房直子さんであってほしい、そしてきっとそうであると信じている。
(ふと手に取った今日の本は「たんぽぽ色のリボン」。幾度読んでもお脳の弱いオレはお話をすぐに忘れる。そして読み直しては思い出して新鮮に喜ぶことができる。そうだそうだ、世界はこういう風なものであってもよかったのだ。)
(どうしてこんなに好きなのだろう。本当にわからない。ほんの数行で吸い込まれてほっとするのだ。ひどく残酷なのにこのうえなく優しく美しく切ない。)
この世の中でオレはどうせクズだ。酔っぱらって生き夢を見ながら死んでいければそれで幸いだ。誰にも相手にされなくてもいい。どのような価値観にも左右されない人外であって幸いだ。ひっそり死んでいくんだってかまわない。イヤそれがいい。何かの価値観によって限られ決めつけられる価値はゲームに過ぎない。ただ誰かに害されることがなければそれでいい。
胸の奥にこの場所さえあれば。
それで充分生まれてきたよかったと思える。感謝に似た気持ちでいっぱいになる。それを与えてくれた人生の幸福をまるごと肯定することができる。
…優れた作品はすべて己を縛るものからの解放への祈りなんだ。
おやすみなさいサンタマリア。
明日はきっとお日さまが出る。そしたら街に出てとびきりおいしいチョコレートでも買ってこよう。