酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

豊穣

目覚めたら久しぶりに澄んだ空の朝だった。

金色の朝もやの中金木犀の香りで夢の続きのようだと思った。世界でただ一人静かな早朝のベランダで、何もかも黄金色で、世界のはじまりのようで終わりのようで。

かなしくあかるいとこ、と、愛妹トシの行ってしまった死者の世界をよきものとして願った描写は賢治のもの。この季節思い出す、秋の陽射しの透き通ったさびしいあかるさ。

昼間はインディアン・サマー、老婦人の夏。
何をして何を話して何を見ていても、一日あかるくさびしかった。

夜には、フェイスブックのおかげであちこちのたくさんの昔がいっぺんに襲ってくるような気がした。高校時代と大学時代とそのほかの。

あれこれとやりとりする。
人生こんなに時間が過ぎたことが嘘みたいだと思う。

たくさん思い出しすぎて哀しくて仕方がない。
どうして哀しいのかわからない。きっと飲みすぎなんだろう。

誰かがこの空の下寂しがってるらしいと思うとたまらない。
私ではなにもできないのかと思うと胸が痛い。



iPodシャッフルでは「スカーレットの誓い」。我が青春の歌、高校時代の風景の歌。

かなわねえな。涙出そう。

ものすごく哀しいけど今どうしようもなくしょうむない人間になってるけど、生まれてきてよかったと思う。ほんとうにたくさんのものに感謝する。

感謝できるって幸せ。


金色の豊穣の中にいる。