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酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

坂東眞砂子「朱鳥の陵」

朱鳥の陵

朱鳥の陵

並々ならぬ面白さとおどろおどろしさ。

皇女の不吉な夢を解くために宮に呼ばれた能力者白妙が、現実の時空を超越する「ドリーム・タイム」で、読者とともに、持統天皇の一生をその内面から追体験してゆく筋立て。

だがそれは、終盤に向かい、徐々に、見るもの、見られるものの反転を起こしてゆく。このミステリー仕立ての筋は、追い込まれてゆく白妙の恐怖が読者に重なる見事な構成となっている。ついには夢に食われてしまう、ぞっとするような身の毛もよだつラストには、逃れられない悪夢にも似た恐怖に引きずり込まれる。

イヤイヤ実に怖かった。

これは、飛鳥時代の歴史に詳しい人なら、面白さ倍増なのではないかと思う。

知らないと、系図や人間関係把握するのが大変。
だけど、まあ教科書程度の知識があれば、何とか古代日本の呪術的世界観、その雰囲気と面白さにハマれると思う。(山岸涼子の「日出ずるところの天子」に少し登場人物が被るので、少しだけ皇子たちの先行イメージがあって助けになったかも。)