酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

雑記

誕生日記録

さて先日誕生日を迎えた。 ということで、誕生日とはなんぞ、と考えた。 このひとつの節目。振り返り己の来歴を鑑み己と周囲の人々との関わりの中での世界のこの存在のことを思い、歓びことほ(言祝・寿)ぐ。 そしてその感謝と幸福のことと、この先のことを…

「ぐりとぐら」の普遍、そして戦争

雑誌の特集の見出しを眺めていて目に飛び込んできたのは「ぐりとぐら」のあの愛らしい絵本の写真。 ぐりとぐらは時代先取りSDGsで、あるべき理想の暮らしの姿だっていうのが御説趣旨のようであった。 ということで、ううむ、と、私は己の中のいろいろの優し…

宮崎駿「君たちはどう生きるか」

映画館で映画を観るってのはやっぱりいいもんだなあ。 チケット発券、境界関門で係のケルベロスさんにもぎってもらって(チェックするだけだけど。)洞窟みたいな薄暗がりの灯りの灯る異界への迷宮廊下に入りこむ。深い暗がりを湛えた地下階へ深く下ってゆく…

ブルーベリー狩り

7月7日。 例年梅雨末期大雨ばかりの七夕には珍しく、朝から猛烈な夏空青空、かんかん照りの猛暑の真夏。 …ということで朝の道路。ぐんぐんと車は走る。高速に乗るとココロは日常から離れてゆく旅の空。 とにかくこの非日常感よ。がらんとした世界の終わり…

チャットGPT第一印象、街のカフェ郊外のカフェ

何だかわいわい噂になっているChatGPT。なんだろ、とちいと見てみた。 *** *** ふうん。試しに春樹作品の感想を聞いてみたら、おりょりょ。 いきなり「個人的には」なんて言葉を発してきた。AIさん「個人」の自覚設定なのか?…おもしろいな。 でも内容がない…

図書館オバケ

わたしは図書館オバケになりたい。 図書館に寄生し図書館に瀰漫し図書館そのものであり図書館の投影であるモノ。だからそのようなモノとして言っておこう。 「図書館に大切なのは迷宮性である。」 闇や隙間や謎のない図書館なんて文学性のない本のようなもの…

風景の記憶(2月の記憶)

ものすごい氷温北風小僧でバイクぶっ飛ばされそうで凍えそうだったけど、ここの広い高い青空きらきらの風景の中に佇むと心が鎖から解き放たれるよな気がする。 ふわり。この青く高い遥かな青空の繋ぐチャンネルで、幸せだった思い出の中に飛んでゆく。 …特定…

家の持つ記憶

高校時代からの古い友人がご町内に住んでいる。彼女と彼女の伴侶殿が力を合わせて構えた邸宅の向かいには伴侶殿の実家があって、お舅さんとお姑さんが亡くなった後、空き家になっていた。歴史のある古い家屋だ。 で、今回、やむをやまれぬ事情があって、伏し…

昼下がりスターバックス

先日、穏やかに晴れた昼下がり。こんなにゆったりとしたスターバックスは初めてだ。高い天井、大きな窓から燦々と陽射し。空いてたから四人がけ柔らかいソファに陣取ってひとときゆっくり読書の贅沢。 …しかしね、隣の隣の席に陣取った二人デートの女の子た…

追悼

半熟卵の白身の絶妙のとろんぷりんとしたとこは旨いよなあと考えるたびに中島らもの提唱した「全まず連」を思い出す。 全国不味いもの愛好連合、だっけな。 そこに、大慌てで旨味の濃い黄身を飲み込んでしまってから、ゆっくりと白身のぷりぷりした無味を楽…

近所のカフェ スイーツ男子とかコロナとか戦争とか

どんより暗い底冷えの朝の氷雨が上がった。ぱあっと胸の奥を照らすような陽射し。きらきらと眩い雨上がりの午後の陽射し。 嘘のようだ。束の間の魂の自由、このひとときがあればこれからも生きられるかもしれない。こころがすべての現実の牢獄を忘れるひとと…

家出の年

その冬は酷く厳しい寒さになり、その夏は殺人的な猛暑が続いた。 災害が多発した。疫病が流行った。世界中に戦争の火種がちろちろと炎を上げはじめ、難民があふれ、世界中で人々の暮らしは厳しくなった。人心が荒れた。何もかもが関連して現れる。 元首相が…

至福と哀しみ

晴れた夏の午後、晩夏の斜めの光、懐かしい、透き通った光の色。 正しい土曜の夢、再びそこに触れたかった。 現実とされる自我の牢獄の幻想から逃れ、繰り返し戻ることのできる場所、心の中の、魂のその深奥に仕舞い込んだ絶対の故郷へのアクセス法を確立し…

金木犀

28日水曜日、目が覚めると開け放った風の中に一筋の懐かしい香り。 東京の金木犀が一斉に香りだした。 開花解禁日が街の金木犀組合で決められてるんだな、きっと。植物根っこを伝わるラシネーインターネット電子信号か空気中ホルモン放出かなんか未知のネッ…

不幸と孤独は悪である。

人間は不幸になってはいけないのだ。 孤独な不幸は悪である。 なぜならば、全世界への、関わるすべての相手への恐怖と憎悪、感情的に反射的な反感「敵認定」はすべて孤独な不幸に起因するものであり、それは結局は、戦争の根源、不寛容の根源、多様の否定、…

うつくしくないごみ、そしてうつくしい生きかた

こないだ友人がバカンスに出かける前に,まあいらっしゃいなあ、などと愛を持ってご招待してくれたのでやれありがとうと、珈琲をご馳走になってきた。 もにゃもにゃとあれこれおしゃべり。 ここでふと課題が提出される。 近所のおうちのゴミ置き場のゴミがカ…

晴れた夏の朝

晴れた夏の朝。 母が抗がん剤治療のために入院する朝。荷物をもって車の前まで見送った。眩い朝、見送る車が強烈な光の向こうへと遠ざかる。 昔見た風景のことを思い出した。 *** *** 人々のいつもの通勤電車。けれどその朝は日常から少しだけ、いや、…

夏の週末。カフェ。

猛烈な陽射しの夏の午後だ。土曜日、昼下がりの駅前カフェ。 狂ったような陽射しに、ほたほたと落ちる汗、麦わらを透かして光は私の顔を陽炎のように彩り、アスファルトからゆらゆらと立ち上る熱気がその陰影を揺らめかせる。気が遠くなりそうな懐かしい遥か…

ねじまき雲 カフェの効用

「1時間半毎に注文必須」・「3名以上お断り」・「撮影制限有」・「店主本位の店なので、守れなかったら退店してもらう」 …この店、禁止事項だのなんだのの注意書きながめてるとだな。なんだか高飛車で偉そうで怖い人が出てきそう、いかにもワシは客選ぶぞの…

阿佐ヶ谷 (サーティワン)

通りがかったサーティワンの店先を眺めていて不意に思い出した。(今月スペシャルフレーバーはキャラメル抹茶オレ) 初めての街で初めての買い食い、初めての友人からの奢り。一度に何人もの取り巻きの友人たちに専門店のアイスクリームを奢る中学生なんて奇…

戦争というのは非常に怖い

戦争というのは非常に怖い。怖いものには近づきたくないんだが大抵怖いものは向こうからやってくる。暴力は向こうから襲いかかってくる。理不尽は向こうから襲いかかってくる。 不安と恐怖、そして寂しさに耐えきれず憎悪と暴力に変換する人間というのはいる…

二月の日曜日

二月の日曜日。ひとりでぼんやりとガラス戸の朝陽の蜜の中サボテンを眺めていた。幸せだった陽だまりの日曜日の記憶の中にいた。非常にかなしく幸せな至福の朝であった。 穏やかに降る朝の光、静かな二月の早春の光。 光の春。柔らかな、そして力づよい新し…

物豆奇・「ユリアと魔法の都」辻邦生メモ(銀河鉄道的なるもの。)

昨日、どんぐり舎に行こうとしたら満席だったので物豆奇へ。(ほんの2メートル先を歩いてて目の前で店に入っていった老夫婦に負けたのだ。最後の空席、そしてしかもとても可愛い窓の近くの居心地のよさそうな大層よろしい感じのとこだった。ワシは悔しかっ…

梨木果歩「家守綺譚」補遺

これとこの続編の「冬虫夏草」の感想は最初に読んだとき、とりあえず考えたこととして記事は書いてある。それなりに一生懸命。 ここね。 コレでまあほぼ、私なりにわたしにとっての「冬虫夏草」の作品としてのひとつの読みの骨組みは、そのエッセンスのとこ…

チョコレート・ドーナッツ(そしてチョコレート麦酒)

普段、私はドーナッツに興味を持たない。 シュークリームやチョコレート、和菓子に洋菓子、菓子類すべてに尋常ならぬレヴェルでの深い愛情と激しい執着を持つ私が、である。(アラビアンスイーツやアジアンスイーツ、流行りのエスニック系もあまり射程には入…

通俗とアカデミズム(100分de名著ヘミングウェイメモ)

最近M子とよく話す。 *** *** *** 100分de名著、ヘミングウェイスペシャル録画視聴了。回によってのあれこれの視点は散らばって、私の興味はそのあれこれに当たったりはずれたり。とりあえずすべての箇所につかみ取るものはある、などとひとまず思った。 …そ…

ビーフシチュー

既に早12月、クリスマスも解禁の、キンと冷え込む星空はあくまでも清冽に美しく、夜をかけ宇宙をめぐる壮麗なるオライオン。 …それにしても寒がりにはいささか厳しい冷え込み厳しい冬である。 *** *** *** とういことでこの季節、なによりのごちそうは、おな…

ファイザーワクチン接種、ニーチェの真理

さて、新型コロナのワクチン二回接種ミッションクリア。副反応的なるものは(二回目の後特に)かなり辛いものではあったがヤマは越えた。 で、免疫細胞というのは大体ワクチン二回接種後二週間で効果が充分発揮されてくるという。 …ということは、私の細胞が…

2021 お盆 鈴木慶一

最近とみにぼんやりとしたくたびれ具合が心配になってきた父である。TVの前でニュースや国会中継なんか眺めてはぶつぶつと文句を言っている。酷い時代になっちゃったからな。でもね、脳が加齢のせいで気力も萎えてきて記憶の前後関係とかあれこれぼんやりし…

流星シネマ 吉田篤弘

ということで様々なモノの渦巻くコロナオリンピックの騒ぎの中、すっかり脆弱な心身のバランスを崩してへばってしまった自分、ただひたすら身を守り心を鎮めるためにこんな本を開いてみている。実家に逃げ込んだのだ。 で、内容である。 …吉田篤弘はやはり吉…