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酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

お脳が弱い その2

つまんなそうな顔した親父が一人で切り盛りしてる、いかがわしい場末の居酒屋のカウンター。 一日の終わりに、こういうとこで麦酒をすすりながらおでんなんかつつくのはいいもんだ。ぼんやりと酒を飲みながら店の奥のTVをながめる爺さんや少しくたびれたサ…

続「異邦人」

真綿で首を絞められるような一日の始まり、一週間の始まり。空転する思考。陰惨な赤い空。 誰か隣にいたらいいのに、泣いてすがる。怖い夢を見ただのさまざまの悪い考えのことなどをいうかもしれない。だがそれらがなんであってもどうでもいい。問答無用でた…

朝の憂鬱。カミュ「異邦人」。

恐れていた朝は恐れていた通りやってくる。 空いっぱい奇妙な砂色の光で満たされる瞬間を見た。これが朝か。 不吉な光の中で、カミュ「異邦人」について考える。 昨夜読み終えた。実は今まで通して読んだことはなかった。(知識としてショッキングな出だしや…

キリン4

朝方、どろどろとした悪夢の断片を渡り歩いた。 寝た気がしない。頭の芯がしんしんと痛み、足元がおぼつかない。 朝はいつも乾いた絶望とともにやってくる。悪夢はデフォルトだ。いつも同じ、おなじみのシーン…だが、その禍々しさに慣れることは決してない。…

嫌いはきらい

嫌いってのはどうしようもない。(好きっていうのもどうしようもないけど。) 自分の存在にとって不都合な敵なんである。 ほんと嫌いってツラい。半径5m内に嫌いな人がいるというだけで己の存在が脅かされる恐怖にさらされる。自分が悪い人になってしまうの…

商品

なんだろうな。 人間を商品として扱うことを大変な罪として大学時代あの先生は話していた。 例えば女性を性的な欲望の対象となる商品として扱うとか。 …奴隷制度とか、暴力に根差すもの、もちろん論外である。だが今現在、この身近な身の回りの世の中で商品…

未来のない幸福

幸せのことをよく考える。 そぼ降る雨、みずほ台から国分寺へ帰る、バイク。 川越街道から、志木街道、府中街道。 いくつもの街を越えていく。景色は流れる。大きな川を越えてゆく。その度世界の境界線を越えてゆく気がする。己が不可逆の取り返しのつかない…

儀式

おしゃく~ん、と甘い声で彼は笑い、何だい?とオレが答える。 そういう儀式だった。会話を始める前の。 いつものみんなと一緒の時の声とは違う、私だけが知っている甘えたようなその声の出し方。二人だけでいるときしか見せない表情と声、勝手な呼び方。(…

春の宵

15の春に出会った時から、おそらく一生の友人である。 M子とは、高校時代、毎日顔を合わせ、学校中をかけまわっていた。周囲からはいつも一緒にいた、という印象を持たれていたようだ。(珍妙なチビペアだったんである。)夏休みも冬休みも部活はほとんど毎…

恐怖症

暗所および閉所恐怖症のきらいがある。おそらく。 および高所恐怖症、社会恐怖症、対人恐怖症でありながらの孤独恐怖症、男性恐怖症。あまりにも果て無く広大な風景にも恐怖する。 よくよく考えてみると、何もかもが怖いんである。我ながらなんという恐怖症…

京都と東京と

京都に行った。 季節は春。ソメイヨシノも枝垂桜もそろそろ終わり。はらはらと雪のように舞い落ちる桜色と萌え出した新緑に淡く彩られたうつくしいパステル風情の時候であった。 もともと京都には縁がない。遥か昔、中学の修学旅行で名所をおざなりに流した…

日曜散歩・早春

中央線N駅南口から線路に沿って東の道を行くと、ひどく古い薄汚れたアパート群が並んでいる。昭和の時代にタイムスリップしたかのような印象の団地群がうっそりとうずくまっている。 昔、私が通っていた都立高校の広い校庭の片隅、テニスコートの南側にどこ…

キリン3

干し柿が送られてきた。 年末、田舎からの荷物。野菜だの餅だののこまごましたものの中に一袋。 母さんが、庭の柿で毎年拵えるんだ。あれはすごくいい柿の木だし母さんは熟練干し柿職人だ。今年はいいのができて地元の農産物コンクールで優勝したなんていっ…

医者も薬も嫌いだ。が。

医者が嫌いである。 薬もよほど激烈な症状がない限り、また痛み止め的なもの以外は極力飲まない。風邪薬なんて実際たやすく飲むもんじゃない。飲むとしたら葛根湯だ。 大学時代、アイルランドで風邪をひいて現地の市販薬を飲んだことがある。 …ラリッた。こ…

週末

今度の日曜日、母さんの誕生日を祝うから来いとメールがあったが行かなかった。 *** *** *** この夢見は風邪をひいて体調が悪かったせいだろう。 ナウシカに出てくる腐海のムシみたいなありとあらゆる奇形の巨大なハエがじゃんじゃん出てきてひたすら追いか…

筆談

これは、遥か昔、高校生だった頃の時空だ。 そう思った。あのときの吉祥寺と今目の前の吉祥寺の風景が次元の位相を違えながら、重なり存在していた。その危うい狭間を漂うようにして、街をゆく。 今はもうつぶれてしまった、懐かしいクラシック音楽専門喫茶…

ラヴソング

二人で不動産屋巡りをした挙句、結局荻窪駅近くのほどほどのワンルームに落ち着いた。 駅から1分である。シャワーだけじゃなくてちゃんと素敵なタイルのお風呂もあるとこは私が気に入ったのだ。 ただ日当たりよくないねえってそこんとこかなり気になったん…

ある悪妻の記録

>>夜中ひとりで言葉を紡ぐ 逃げてやる、逃げてやる。 現実逃避。 どうしようもないお子ちゃまな私と、お子ちゃまな結婚相手、お子ちゃまな男性群。 …怖いよう、あのひとと二人のこのおうち、今、耐え難い。 ドアをたたく、私の精神を縛り上げる怒声の恐ろ…

キリン2

そんな現実など、俺は認めてやらない。 あいつが出て行った。俺のせいじゃない。 初めの頃はあんなんじゃなかった。いつからだったろう。あいつは些細なことで突然爆発し、泣きわめいて一方的に俺を責めたてるようになった。自分勝手で筋の通らない理屈。訳…

キリン

最近、若者の間で、キリンを飼うのが流行っているそうだ。 携帯電話のストラップに、耐震装置つきキリン用コクーンをつけて、肌身離さず持っておくんである。若者も娘らも皆、ポケットからその耐震装置特有のほのかな光をのぞかせている。 何故キリンかって…