酔生夢死DAYS

本読んだらおもしろかったとかいろいろ思ったとかそういうの。ウソ話とか。

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」再読に際して(文字の大きさ云々)

(先週書き綴ったものから) 冷たい雨の日曜日。 朝の悲しさと絶望、身体は眠く怠く痺れ魂も暗く沈む。どうなることかと思ったけど、午後、懐かしい街、私は昼下がりのカフェにいた。 座り心地のいいソファ、仄暗い落ち着いた照明、古い音楽。各々の時間を包…

パンデミック

世の中コロナである。 パンデミックってどうして起こるんだろう。現代ではインフォデミックとかいわれてたりするんだが。 社会全体が総立ち、な、このわさわさの緊迫感。東日本大震災以降こういうリアリティは結構如実にはなってきてたんだけど。フラフラッ…

立春

立春。夜明けがだんだん早くなる。 澄んだ朝、世界をももいろに染め上げるうつくしい朝陽の光と影を眺めながらきゃべつを刻み、キヨシロの叫んだ自由のことについて考えていた。(口ずさんでいたのは中島みゆきの「歌を~歌おう~心の限り~愛を~こめて~あ…

しあわせなハリネズミ

寂しい。 ということで、私は考えた。今私を私たらしめているものは、己のこの在り方を恥じる気持ちだけである。 この矛盾の中にしか私の存在はないのだ。苦しみも喜びも誇りも一つの存在としてこのダイナミクスの中にある。 これが本日の総括としての論理的…

「戦後思想の到達点 ~柄谷行人、自身を語る 見田宗介、自身を語る」

インタビュアー大澤真幸による対談集であり、柄谷行人と見田宗介の入門書としてふさわしいという紹介文。ううむそういうことなら、この二人の組み合わせだったらとりあえず目を通さなければならんだろう、やっぱり。 大学時代、ということはつまり我が人生根…

何故子供の本ばかり読むのだろう

感性が子供なんである。別に気取っているわけではない。精神的な成熟度もそれに準じているし、よく天才神話に言われるようにそこに付随した突出した才能などがあるわけでもない。 成長しそびれただけだ。まあ要するに単なる落伍者である。皆最初は私と同じく…

年の瀬2019 演劇と空気

28日、西荻の喫茶店のマスターのツイートにストンときた。(この方のつぶやきにはストンとくることが多い。不便な場所だけど不思議な味のある雰囲気のお店で、一回だけ珈琲飲みにお邪魔したことがある。) 「この年末になると漂う空気は演劇に通じるものがあ…

12月8日

太平洋戦争とジョンレノンの日だ。どうか私の中のすべての中のこのくらいきたないいやしいものが赦され清められる祈りが護られますように。

「某」川上弘美

ある日突然、気が付いたら存在していた。病院で気が付く。そしてそこにいた奇妙な医師の指導のもとに、治療と銘打たれた「アイデンティティ確立」という目的に向かってさまざまな年齢性別を「演じながら」生活してゆく。 *** *** 2019年秋の新作である…

パンケーキ

タピオカの少し前に流行ったブツであるという印象がある。 (因みに私は今まで生きてきた中でただの一度もタピオカ及びクスクスの類を経口摂取したことはない。そして冷麺はたった一度盛岡の専門店で摂取したことがあるだけだ。これが冷麺というものかと感動…

雑貨屋

雑貨屋というのは幸せのモトである。 実に夢のカタマリである。皿だの箸だのスプーンだのお香だのなんだのが並んでいるだけなんだが。しかしそれは舞台である。生活のワンシーンを想起させるための五感を複合させる仕掛けの施された夢の舞台。夢を生活の中に…

いだてんは続く。

TV

いだてん。ちいとためてた分を今日、たった今、先週分を観終えた。第二部終了。戦争が終わった。 …森山未來さん、ものすごいな。 イラついてて何にも心にしみ込まなかったけどロキソニンと麦酒とこのひとの演技だけは沁みこんだ。 このひとがいたから他のす…

嵐の後

日曜の朝。 台風一過の青空が私はほんとうに好きである。何もかも新しく生まれ変わったような懐かしいような不可思議な非日常の幸福感。 三連休初日、荒れ狂う嵐の夜は実家にいた。近隣の町々の川が次々と危険水域に及んでゆく。決壊。スマートフォンの緊急…

梨木果歩「ヤービの深い秋」

待ってました出ましたな、の「岸辺のヤービ」続編。相変わらずムーミン谷である。 でもなあ、こないだの「椿宿の辺りに」で感じてしまった「あれっ、かわされた。」という物足りないような感覚をここでも少々感じてしまった。(岸辺のヤービ、椿宿の辺りに、…

秋の朝考えること 夢見るメディア空間

朝起きたら静寂の空にうつくしいももいろの光がいっぱいの朝焼けだった。ひんやりさらさらと肌を撫でる秋の風。 静かな早朝、この世界はすべて私ひとりのものである。 だから私は今日私に与えられた恩寵であるこの一日を精一杯幸せに過ごそうと思う。 …でだ…

レーゾンデートル

毎年、9月の声を聞くと自分の中で解禁される歌がある。 「9月の海はクラゲの海。」 ムーンライダーズ。 これを聴いていて、原点ということについて思った。 高校の頃の風景、この歌を、このバンドを教えてくれた人達との出会いのシーンのさまざまを思い出し…

ジョージ・オーウェル「1984年」

(先週週末)ジョージ・オーウェル「1984年」読了。前半だけ読んで何だかんだほっぽってたんだけど、後半部一気読みしたら衝撃でしばらく茫然自失状態。 ものすごい読後感の悪さなんである。コンディション悪いとこに直撃食らってしばらく立ち直れなかった。…

朝が好きなのだ (ムーンライダーズ・サエキけんぞう・パール兄弟・宮沢賢治)

朝が好きなのだ 私は本当に朝が好きなのだ。何もかも新しい、きらきらと木漏れ日の落ちる新しい朝。 そして大切なのはそれが終末感とともにあるというところだ。始まりと終わりが一つのものであるところで世界は完全になり私は解放される。 この構造がずっと…

ショーン・タン

さて、先日帰省した。こないだ実家で導入したおニューのパソ君にまつわる(周辺機器含めた)一切の設定その他のデジタル関係引っ越し作業一気に請け負ったんである。 疲れ果てた。が、大層喜ばれたんで、まあえがった。 *** *** *** というこれはこ…

おうい雲よ …って言いたくなる空だなや。 夏キライ、猛暑辛い。バテバテ高温多湿キライ早く秋風…とは思うけど、やっぱりスコーンと青い夏の空、まっしろくてもくもくの雲、8月の夏休みの空は好きである。(特にまっさらできらきらの朝、そして長い長い夕暮れ…

脳足りん (どんぐりと山猫・ほんとうにほしいもの)

脳足りんが嫌いである。ものすごく嫌いである。大嫌いである。これこそが諸悪の根源であると思っている。 まったく実に切実な話なのだ。実害が酷すぎる。 …だがふと我と我が身を振り返ってみると、己が脳足りんでないとは決して言えないと言う事実に直面せざ…

いだてん

TV

いだてん NHK日曜夜八時の大河ドラマ。基本的に自分は普段この枠のドラマを見る人間ではない。 「面白いよ。」などと勧められても最初の一回も観きれず挫折してしまう。基本的に長時間視聴の忍耐力がないんである。 だもんでこれも何だか周りで評判だった…

「椿宿の辺りに」梨木果歩

梨木香歩さんの新刊、しかも非常に面白かった記憶のある「f植物園の巣穴」の続編、ということでどひゃーっと飛びついたんだけど。 …う〜ん、期待したほど面白く感じられなかった。というかやっぱり面白くなかったと思う。 確かに梨木果歩さん、その綿密なデ…

100分de名著 マハトマ・ガンディー「獄中からの手紙」

TV

100分de名著、随分昔のを掘り出して観てみた。2月のガンディーである。監獄から弟子にあてたヒンドゥーの求道の教えを説いたもの「獄中からの手紙」を追いながら彼を解釈してゆく趣向。 番組の概要、公式HPはここ。 ヲヤ指南役はオルテガのときとおなじあ…

(例えば)海の水雲と海の藻屑

私の母世代のご婦人というのは、(私の母をはじめとして、)得てしてあまり言葉にこだわらない人種が多い、ような気がしてならない。 単に私の周りの環境なんだろうけど。 物の名前にこだわらないというか通じることだけが大切で外側は些末なことであるとい…

上橋菜穂子「鹿の王」続編「水底の橋」

読了。 で。 …うむ。 とりあえず、本編ほどのものすごさではないけどさすがに期待は裏切られなかった。流行りの医療ドラマのようなんだけど、なんというか、上質な韓国ドラマのような人間ドラマの織り成すこみいった精緻な物語構成上の感情を揺さぶるおもし…

吉田篤弘「月とコーヒー」をちまちまと読んでいるんだが。

吉田篤弘、もちろん悪くないんだけど、なんだろうな。 いまぺろっと比べるの無意味かもしれないけど、引き換えくらべて考えてしまうのだ。短編の情趣のタイプ分けというか違いというか個性というか。 つまり、川上弘美の卓越。彼女の作品は、言葉は、短編で…

ゴボジン

新しい時代の新しい元号の発表された記念すべきエイプリルフール、今日この日に、何もこんなしょうもないことを書くこともないのだが、なんとなく。(元号発表に関してはあれこれ思いはあるのですが。令和。) ゴボジン。 このくだらなさがどうしてか忘れら…

恋と時空間(恋愛小説のススメ)

桜咲いてきて、嬉しいです。トリも花が好きなんスな。食っとりました。で、こないだの「100分de名著」のオルテガ「大衆の反逆」。 ここでワシはこのやたらと男前でかっこいい指南役の先生の語り口にシビれてしまった。で、それが刺激になってあれこれ考えた…

ミッツ・カール君

ミッツ・カール君のアクション、実は結構好きである。(こっちょり) 「100分de名著」録画消費、オルテガ「大衆の叛乱」にかかる。第一回。こりはピシッとツボにはまった。おもしろい。 オルテガの定義する「大衆」。これは階級としての大衆ではなく生き方と…